DMと言ったら dungeon master

ここ南葛市立病院での内科の研修は 1か月シフトで、慣れてきた頃に次の科に替わる。
比較的レアな疾患が多かった血液内科を去って、今月、私は内分泌・代謝内科にいる。
この科で主に扱っているのは、糖尿病だ。
そりゃあもう、見わたす限りみんな糖尿病である。
国民10人に1人の common disease の実力を、私は思い知る。
(多い病気を多く見る。市中病院での研修を選んだ理由の一つだ。)
国試では同程度の重要性を誇っていたバセドウとか褐色細胞腫とかクッシングとか、全然いない。ひたすら糖尿病。
そしてみんな、糖尿病について、教育を受けに来る。その名も「教育入院」。
ここでは病院は学校となり、医者は教師と化す。ちょっと他の病棟とはちがう雰囲気だ。
たとえば高血圧の患者はおそらく糖尿病より多いが、高血圧だというだけの理由で入院する人はいない。(←例外はあると思う)
糖尿病はそれだけやっかいな病気だし、薬にしろインスリンにしろ、いいかげんに扱っていると危険だ。教育のしがいのある病気である。
今日も先生方のテンポの良いお説教が病室内にこだまする。