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Winny の開発者が逮捕された。
いい機会だから、あまり自信はないが、著作権について語ろうと思う。
私は、著作権とは何なのかと、いつも不思議に思っている。
素朴で、根本的な疑問だ。
英語では copyright という。
日本語が言っているのは、「著作者が持つ権利」ということだ。
著作者はどんな権利を持つべきだろうか。
英語が言っていることはもっと具体的だ。「複製の権利」である。
と言っても、自分が複製する権利のことでは、むろんない。自分の著作物を、他人が複製してよいか許可する、または禁止する権利。自著の複製に関する全権である。
著作権と copyright は同じものとされる。つまり、著作者は自著を他人が複製することを禁止できる、著作者が許可しないかぎり他者は複製を行えない、とされている。それが著作権だ。
おそらくすべての先進国で、著作権は明確に法制化されている。
だが、それは、自明な権利なのか。
少なくとも、私にとっては自明ではない。
「著作者ってそんなに偉いのか?」と、いつも思う。
通常われわれには自由権というものがあり、他者の権利を侵害しないかぎり、何をしてもいいことになっている。
著作権法は、その原則の著しい例外であるように、私には思えるのだ。