デスノートが終わろうとしている。

現時点でジャンプでの今世紀最高傑作であろうこの漫画には、欠点はないが短所はあって、それはきれいにまとまり過ぎていることだと思っている。
とはいえ、この漫画はそれまでの常識をいくつも破っているし、少なくとも私には一度として先の展開が読めなかった。にもかかわらず、斬新な漫画というより、きれいにまとまった漫画という印象が強いということは、作者の技量が並大抵のものではないということだ。作者は今回、その技量を、きれいにまとめることに傾注したのだと思う。だから欠けているのではなく、単に短いだけだ。
たとえて言えば、定理と証明しか載っていない数学書のようなきれいさ。
偉大な作家たちにも、そういう小品が、あるものじゃないか。
だとすれば、このコンビ(でなければ原作者のほう)は、次回作あたりでいい感じにキレて、壁を打ち壊す斬新さはそのままに、もっと熱くて自由で激しい作品を出してくるのではないかと、けっこう期待しているのだ。